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すっきり暮らすコツ

働く主婦の増加、高齢社会の到来にともない、家事の外注化が盛んになっている。筆頭は調理だろうか。デパ地下、スーパーなどで、出来合いのお総菜を買って食事作りの時間と手間を省く。2番目は掃除。弊社は「スマイルサービス」という家事代行サービスをする部門を持っているので、実際に現場で働くスタッフの生の声を聞く機会が多い。

 スマイルサービスへの注文の珍しいところでは、4人家族プラスおじいちゃんで住んでいる主婦から「おじいちゃんを残して旅行に行くので、その間毎日夕食を作りに来て、一緒に食べてほしい」「50年前の同窓会名簿を探したいから、一緒に納戸を片付けてほしい」「身体の調子が悪いから、犬の散歩をしてほしい」などがある。しかし、圧倒的に「掃除」サービスの注文が群を抜いている。

 スマイルサービスは、お風呂場いくら、トイレ1カ所いくらという風に部位別に見積もりをするのではなく、2人1組2時間でできる範囲のサービスを売るスタイルなので、家全体を掃除するという注文が多い。

 実際にそのサービスをしているスタッフによれば、掃除がしにくくてやたらと時間がかかる素材があるという。それは、御影石や大理石に見えるクッションフロアだ。素材に凹凸があり、へこんだ部分にほこりがたまり黒ずんでくるので、それを取ってきれいにする時間と技術がいるという。

 まず、掃除機で全体的なほこりを取り、ぬれたぞうきんで丁寧に汚れを取らなければきれいにならない。「私たちは週に1回行ってやるだけだし、2人1組だから仕事も手早く進むけれど、主婦1人でやるのだったら、きっと嫌だろうなあ」「お風呂場の床の凸凹もカビが取りにくくて大変」。床を滑りにくくするためには、凸凹をつけて摩擦を多くした方が安全なのだろうが、時間がかかる作業をしゃがみこんでやるのは大変だ。水を流してふいた後、へこんだ部分の黒ずみを、目の細かいサンドペーパーで丁寧にこすらないときれいにならないという。なだらかな凹凸ならまだしも、かなり鋭角な凹凸はお手上げだそうだ。

 キッチンの油汚れも主婦泣かせ。レンジ周りも換気扇も放っておくと油とほこりが合体してギトギトになる。スマイルサービスのスタッフは、他の掃除を始める前に五徳や受け皿、換気扇カバー(金網)を流しに置き、洗剤をかけてラップで包んでから、掃除を始める。こうすれば他の場所を掃除している間に、汚れが浮き上がって取りやすくなるのだそうだ。「表面が平らなIHクッキングヒーターは、五徳がなくて掃除が非常に楽。油煙も少ないみたいでキッチン周りの汚れが少ない」と言っている。でも、調理後すぐにさっと調理場周りをふいておけば、ギトギト・キッチンにはならないはずなのだが。この場合のポイントは「そこで使う洗剤がそこにあり、どこかに取りに行かなくてすむ」ことだ。

 家具が多い、モノがたくさん出ている家というのも掃除がしにくい。主婦たちのあこがれは「すっきり暮らしたい」。どの世代に聞いても異口同音にこの声が数多く聞こえてくる。裏を返せば「現実にはすっきり暮らしていない」ということだ。

 原因としては、「持っているものと収納のバランスが悪くてすっきり暮らせていない」ケースと、「片づけが苦手」という二通りのパターンがある。モノの量と収納のバランスは、住宅を改善することによって即解決可能な問題である。

 一方の「片づけが苦手、できない」は、住宅をどうにかしたところで解決する問題ではないように思っていたが、スマイルサービスのスタッフの意見によると、住まいのありようで助けることができそうに思えてきた。

 スマイルサービスが訪問しはじめた家の中にも、取り込んだ洗濯物や新聞雑誌、子どものおもちゃなどで床が見えない家が何軒もあったようだ。なぜそうなると思うかスタッフに聞いたところ、上記「二つのパターンが合わさってそうなるのではないか」という意見であった。

 「掃除が苦手な人は面倒くさがり屋さんが多いから、わざわざ遠くまでモノをしまいに行かないのでは? 取り出しやすくしまいやすい場所に収納がないから、ついつい出しっぱなしになって、それが積もってしまうのだと思います」とのこと。

 収納は量も大切だが、リビングにしまいたいモノの収納はリビングに、洗面脱衣所にしまいたいモノの収納は脱衣室にという具合に、モノを使う場所にそれをしまう収納があることが重要というのがスタッフの意見。適材適所適量収納の大切さを改めて考えさせられた。

2007年07月27日 asahi.com

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